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今日、Amazonで580円+送料340円のマーケットプライス価格で出品してるCDを見つけ、それの出品元が地元のレコ屋だったから、じゃあ直接買い付けに行けば580円で買えるじゃんと思ってレコ屋行き、店の人に「Amazonに出品してるこのCDどの棚にありますか」と聞いて探してもらったら何故か980円+税だった。意味分かんなくて「これ今ここで買うよりAmazonで買った方が安いんですか・・・?」と聞いたらAmazonの価格で売ってくれた。故意は全く無かったけど俺は嫌な客だと思う。
昔フェリーで沖縄目指した時に、連れ立った男3人でラジカセに山下達郎のBig Wave入れてずーっと流していたんだけど、その時の海の景色やナンパした女の子とか、そういう想い出とリンクして今でもずっと好きなアルバムなんだ、ちなみにナンパした女の子は今の奥さん。という、アルバム発売当時のエピソードを持つリアルタイムAORおじさんと音楽の話をしていてふと気づいたのは、俺には音楽とリンクする想い出が一つも無い、あのブックオフで買ったこのネットショップで買ったとかそんなみみっちい記憶しか結びつかなくて、でも本来音楽ってあのように聴くのが正しいんだよなと打ちのめされてしまった。俺は今日買ったCDを聴く度に、結果的に嫌な客になってしまったこの時の記憶と結びつけられてこの場面を想起させられるのだろか。こんなの呪いだと思う。
コンパクトディスク怪談
これはまだ私がディガーになりたての頃の話です。
丁度その頃は和モノのブームが来始めて、比屋定篤子とか具島直子といった(今となっては)ビッグネーム達が再評価されていました。
私も例に漏れず具島直子のmiss.GとQuiet Emotionを入手し、その巧みなサウンドに酔いしれていました。
ある日、いつものようにブックオフをパトロールしていると、具島直子の3rdアルバムである
mellow medicine
を500円で見つけました。上の文字が大きいのは綴りを打ち込むのが面倒くさくてコピペしたら書体や大きさまでもがコピーされた為。こういう所がはてなブログはダメ。
その頃はコレクションも数百枚程度しか無かったにも関わらず、私は「あれ、これってもう持ってたっけ?」とゲシュタルト崩壊を起こしていました。
何故2/3の事象も覚えれられないのかと言えば、一応言い訳があって、
具島直子のアルバムは全部顔のアップがジャケ写になっていて、それなりに判別が難しいのだった。
しかし間違えた所で500円だし、また二度とめぐり逢わないような気がしたので(実際これ以後巡り逢っていない)購入する事にしました。
そして後日、家でそのCDを聴くと、あれ、なんだかこれ聴いた事があるぞ。
おかしいな、恐いな恐いな、と思って自分の棚を確認すると、
mellow medicine
は無い。
でも、確かに聴いた事がある曲が流れ続ける。結局アルバム最後まで聴いた事があった。
なんだったんだ。レベル999のデジャブが起こったのか。
そして取り出したディスクを見ると、なんとそれはmiss.G(1stアルバム)だった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
すぐブックオフ行って返金してもらった!終わり!
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最近、書いているレビューブログの方に、当時の作家やアーティストが直接コメントを残して行く事が増え、戦々恐々としている。
この前はこき下ろしたアルバムに、当の本人から直接コメント来た。心臓縮む。
5年ぐらいやっている。
狭いジャンルの、誰の目にも触れないで一人細々と無人島でデータバンクを作っているようなCDのレビューブログ。
このCDは良い、このCDはカス、買う価値無し、と、どうせ誰も見ないし良いわ良いわの精神で好きな事を好きなだけ書いていたら、
同じ趣味の人達が集まって共同ブログ、来年には本まで出る騒ぎになった。
もう好き勝手に書けないのか???と思う。
カスなアルバムにはカスだとちゃんと言いたいし、俺はそういうカスCDも含めて大好きなので、そういう事を素直に伝えたい。
俺は音楽家が丹精込めて作った作品をこき下ろす事を趣味としている男。
次出す本、Amazonのレビュー蘭炎上するんじゃねえかなと思っている。
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CDを買ったので報告します。
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佐藤博「青空」(1976年)
あのキーボード奏者の佐藤博じゃない方です。
Amazonで佐藤"GWAN"博と表示される、不名誉な「じゃない方」アーティストのCDです。2004年リイシュー版です。
佐藤博のCDを買おうとすると絶対検索に引っ掛かります。
彼は佐藤博とは似ても似つかぬフォーク系のアーティストで、曲もその手の物なんですけど、
アルバム内に数曲だけ、アレンジを坂本龍一が手掛けた物があり、
それらがかなり良い感じにメロウアレンジを施されている。
大貫妙子の「都会」とかもそうですけど、全然シティポップじゃないアーティストがアレンジでたまたま奇跡の産物が出来る事がある。「都会」も坂本龍一だったな。
ちなみにGWANの他のアルバムは全然です。さよなら・・・
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CHRISTIAN GAUBERT「LAST EXIT」(1979年)
フランスの映画音楽を作ってる人がバンド率いてレアグルーヴアルバムを産み落とした、これがソレ。2006年リイシュー版です。
www.youtube.comどうしたんですかね、急に。
ただ、俺が確認する限り1975年にも似たコンセプトのアルバムをリリースしているので(そっちはリイシューされてない)やりたい事と仕事を切り分けられる小田裕一郎タイプの人なんだなと思う。
少し前まで全然ネットにも在庫無かったのに、最近2000円台で手に入るようになってきた。
レンタル落ちで378円(しかも送料無料)のやつがヤフオクに載ってたけど、は?めっちゃ良いじゃん。「歌詞カード等無い可能性あり」って書いてあるけど元から付いてないっぽいよコレ。
田舎者東京へ行く
福井というノー・カルチャー、イエス・ライフみたいなサブカル後進国に、どういう訳か産まれた時から住んでいる。家の居心地良過ぎるので。実家大好き。
福井の鋭敏な若者はカルチャーを求めて他県へ行く。そういう物が特に必要でない若者はすべからくパチンコに朝から並ぶ。
文化の死だ。
同級生のヤンキー化。ファッショナブルでない腕力としての喫煙率の高さを見て、お前昔は大人しい良い子だったじゃん。この狭いコミュニティの中で強くある必要は全く無いのに。
今はもうちょっとマシになったんだけど、俺の世代は未だにそういう価値観が、俺の観測出来る範囲で蔓延していた。
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東京へ行った。
友人の結婚式があるので、初めて自分の意思で飛行機に乗り、初めて電車を乗り継いだ。
福井には電車を乗り継ぐという概念が無い。○○線とか無い。一本しかない。一本の音楽。
東京へ行くもんで、lightmellowbuの人や他のディガーを集めて食事会をしよう、と柴崎さんが提案してくれた。
一気にワケの分からない単語を三つも並べて申し訳ないが、俺はCD掘りを趣味としていて、ネットで似たような人間を集めて作ったサークルがlightmellowbuであり、そこに僕は所属している。CDやレコード掘りをする人をディガーと呼ぶ。柴崎さんというのはそのサークルのメンバーで、音楽ライター等もされている方だ。特に分からなくても良い、要するにオフ会をやるのだ。
新宿の中華料理屋「XI'AN」というお店へ行った。
柴崎さん(メンバー)、柴崎さんの連れの女の人(DJ、ディガー)、天敵さん(DJ、ディガー)、バナナさん(DJ、ディガー)、小川さん(メンバー)、F氏さん(メンバー)が来てくれた。柴崎さんがワーっと声掛けて集めてくれたし、何なら店の手配とかもしてくれた。普通に年上なのに。ありがたい。
出された料理全てが美味くて、一切写真を取らなかった。飯の写真を取らない時が一番美味い時なので。
ところで柴崎さんの連れて来た女の人が、どえらいディガーだった。アニソン系のディガーで、ドラマCDのブリッジで使われてる挿入歌とかを集めてるらしい。確かに"そこ"にしか無い曲とかあるけど、その中でも良曲となると限られるし、途方もない枚数を買う必要が出て来る。その手のCDは一枚108円とかで売ってるけど、それでもトンネルを素手で掘り進むようなディグになる。数多くのハズレを蓄えた血まみれのディガーなのは明白だ。lightmellowbuにも同じ系統の人が居るが、駿河屋の段ボールに全て仕舞っていると言っていた。こういう人が意外と一定数居るから中古屋は潰れないで済む。
バナナさんが持って来た、ワケの分からないインディーズバンドのコンピレーションアルバム。どこかヴェイパーウェーブを感じさせるヤバ過ぎるジャケットだ。欲しくて盗もうとした。
冒頭で書いた通り、自分はノーカルチャーの地で産まれ、そこで一人でCDを掘っていた。非常に文化的である。
ジャケットだけ見て買う野良ディグもしていた。携帯端末で調べれば良いのに、それが格好いいと思ってそういう事をしていた。誰にも自慢出来る相手なんて居ないのに。俺は客観と自意識がぶっ壊れていた。
東京へ来て思ったのは、俺は結構このカルチャーの無い地でよくよく頑張っている方だと思っていたけど、普通に自分以上にそういう人達が存在するんだな~~~と強く思った。
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その後、金澤寿和さんへ会いに行った。
金澤寿和というのは、音楽ライターだ。
今のようにシティポップがブームになる10数年前からずっとAOR・和物について発信し続け、この手の界隈ではもはやレジェンドの人だ。
lightmellowbuというサークルのlightmellow部分も、金澤寿和氏が提唱する概念を勝手に拝借した物だ。当時はオタク数人が集まって細々とZINEを発行してやっていくつもりだったけど、最近話や規模が大きくなってしまったので、このままではマズイと思い仁義通しに赴いたのだった。
結果から言うと全然問題無かった。
何なら好意的に接してくれたし、金澤氏のブログでも取り上げてくれた。
「前から何回か耳には入っていた」と言われて嬉しかった。
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秋葉原に行った時の事を書かせて下さい。
今回の東京へ行った目的は友人の結婚式の為で、福井からは俺と知り合い2人が駆けつけました。
俺は最初から東京でCDをディグりたかったけど、初日から別行動するのってかなり感じ悪いじゃないですか。だから取りあえず一日目はみんなに付き合おうと思って同行したんです。
そこで2人が「メイド喫茶」行ってみたいと言い出したので、秋葉原向かいました。
どこ入ろうか思案していた時、「めいどりーみん」が目に入りました。
あのキャッチしてて、チェーン店になってる一番入ったらダメそうな店です。今は分かるけど、その時は何にも分かりませんでした。
入る店を決めた2人は店の入り口の前でモジモジしていたので、早く済ませたかった俺は先陣を切って入りました。何で乗り気じゃない俺が一番槍しなきゃならんのですか?
お店に入ってからも2人は優柔不断でした。1200円くらいでステージパフォーマンスをメイドさんが行うオプションがあるので、どうですかと言うて来たから、これは注文するやろなと2人を見ていたら俺に判断のパスを渡してきたので、俺は即決で「せっかく来たし、じゃあお願いします」と言いました。
信じられない事ですが、これ後からかなり2人からネチネチ言われたんだけど、2人は注文する気無くて、断れよと俺に目配せしたらしいのです。お前らが行きたい言うて来たのに何で100%楽しもうとしないのか理解不能だし1人辺り400円の負担じゃん、注文しろよ、意味分からん。そして俺にパスするなよ、選択を。
この話、友達にしたら毎回俺の擁護してくれるんだけど、でも俺は2人のそういう人間臭い所を気に入ってるので、それはそれで直して欲しくないんですよね・・・。
それはもう良いんですけど、めいどりーみんはマジで行くべきではないです。
普通にぼったくりです。
ステージパフォーマンス中に600円くらいするくじ引きを勧められるんですけど、これ殆ど強制です、パワハラです。断れないので。要らない、と言っても「からの~~?www」と言って全く取り合ってくれません。俺の心の中に眠っているヒソカが表出しようとするのを必死に押さえつけていました。
くじを引いたら一番ザコい商品の水を寄越してきました。6等です。水道水の味がしました。そしてその引いたくじをもう一度箱に戻し、隣の人に引かせました。そんな事して良いわけがないだろ。
みんなで600円する水道水飲みました。CD2枚は買えたよ。ステージパフォーマンスは集金ライブでした。
とにかく何かにつけてお金をむしり取ろうとしてきます。水商売です。
ライブパフォーマンスが始まる時、店内BGMを絞るのですが、どうやら別のタイミングで来たテーブルの人達が訳も分からず注文してしまったみたいで、店内BGMが絞られました。
「また集金ライブが始まる!!!!!」
俺はマジで水道水にもう一回金を払うのは嫌なので、来たばかりのパフェ(これも注文してから結構時間掛かってから来たのだ。多分わざと長居させて金を取ろうとしている。「時間掛かったからワンドリンクサービスするよ」と言われたけどこれはもう全くDV彼氏と同じ手口。)を急いでかきこんで完食した、普通に凝っててちゃんと美味かったのがムカついた。俺が完食した頃、その2人が談笑しながら半分しか進んでなくて「早く喰えや!!!!」と普通に怒気を出した、2人とも年上なんだけど。
結局一人当たり4000円超えてた。絶対行かない方が良いです。
最後に、そのカフェで撮った、俺が苦笑いしてる写真を載せます。是非見て下さい。
動物の耳を模したカチューシャを付け、何故かヒトガタのポーズをしている。ヒトガタとは海の恐い画像まとめとかで出て来る、完全に創作だと分かるあのUMA風の画像。
何で金払ってこんな辱め受けるの???単独行動すれば良かった・・・。
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2010年代に入ってから新生のシティポップバンドが雨の後のタケノコのように出現し、最初の方こそ渋谷系との混同が見られたが、最近ではもう殆ど角松敏生や山下達郎のフォロワーみたいなのがシティポップと銘打って活動している。
いったいいつまで続くんだろうこのブームはという懸念もあるが、みんなはこのテン年代の第二次シティポップ系で、結局どれが好きですか?
本当に有象無象居りますが、僕はこのsummer of loveのwednesday loungeが好きなんです。どっちがバンド名なのか分かりにくい。
1. Summer Babe
2. Driving in the Citylights
3. さくら
4. kiss
5. Baby Baby Baby
6. 突然のラブコール
2016年にリリースした彼らのミニアルバム(唯一作)。東京都内で活動していたバンドのようです。バンドの鶴田直之、倉森
内容的には、演奏は往年のシティポップ・AORを意識した物で、少しR&Bやアシッドジャズも感じる。この辺は有象無象と同じですが、
例えばM1なんかは骨子が完全にJ-POPなんですよね。歌詞も「一生忘れない夏にしようよ・いちばん素敵な恋にしようよ」なんて全然シティポップ然としてない。「secret base 〜君がくれたもの〜」とか90年代の夏のJ-POPの意匠を汲んでいる。
M2は、これは本当に角松敏生的シティポップ。でもイントロがアル・クーパー。いつも思うんですけど、どんどんパクれば良いと思う。パクった方が結局名曲率高いので。でもあからさまにパクるんじゃなくて、キラーフレーズをさり気なく、少し変えて忍び込ませるとか。上品にパクって欲しい。
M5はクレイジーケンバンド風味の湘南メロウバラード。実質「ガールフレンド」だろう。名曲。
M6、意外にもアキシブ系に聴こえる。意図した物かどうか分からないが、テン年代にリリースされた声優楽曲群の中に混じってても全然違和感無い。グルーヴに拘ったエロゲ主題歌という風味もある。
マジで全曲良いですよ。というか、多分自分の世代と近い人達が聴いてきた音楽が大きく反映されていて、それが単純に僕にハマっただけなのかもしれませんが。
現在は公式ブログ、ウェブページ、Twitter共々更新停止。2017年にはデモソングを作成していた形跡があるのですが・・・。